人生をハードボイルドに生きるブログ

森が歌っていた

夜明け前にクルマを走らせ、森に着いた。涼しい森は癒しの空気に満ち満ちている。ひと呼吸、ひと呼吸を味わうように歩いた。ん?森の奥から音がしたような気がした。ぎゅぃー、ぎゅぃー。確かに聞こえる。立ちどまって耳を澄ました。風が吹くたびに、その音は聞こえてきた。鳥の声とは思えない。動物の声とも思えない。身体のなかにチェロの低音が響いてくるような悲しげな音だった。何なんだ?音は高いところで鳴っているようだっ...[続きを読む]
2008/05/11 | 犬のように歩く | Trackback 0 | Comment 0

犬と少女

夕暮れ時の並木路を歩いた。犬の多い街だった。街道とぶつかる場所にでた。大きな犬と少し太めの少女が並んで信号待ちをしていた。犬はおとなしく少女の横に立っていた。白地に茶が少し入ったゴールデン・レトリバー。私は、その斜め後ろに2メートルほど距離をあけて立った。1分が過ぎ、2分が過ぎたが、信号は変わらない。信号は押しボタン式だった。「ボタンを押してお待ちください」という赤いランプの表示が見えた。私はボタン...[続きを読む]
2008/05/03 | 犬のように歩く | Trackback 0 | Comment 0

赤い影

梅雨時だが、どうしてか、日の出の空を見に行かなくては、と思った。すでに夜中の3時が過ぎようとしていた。ばたばたと仕事だか雑用だかわからぬ用事を片付けているうちに、出遅れていた。間に合わなければ、その日は縁がなかったということだ。そういう割り切りをする人間に、いつの間にか、なってしまっている。だが、そのときは、かえってタイミングが良くなるんじゃないか、という楽観が私を動かしていた。とにかく、空のブル...[続きを読む]
2007/06/25 | 犬のように歩く | Trackback 0 | Comment 0

交差点は広場

子供たちが、自分の影を追いかけている。帰り道。車通りのない交差点は子供たちの広場になる。道を歩いていると、ふと開けた空間に出くわすことがある。森の中でも、街でも、そして住宅地でも。目線が30度ほど上がり、光を感じて空間を見渡し、呼吸がゆったり大きくなっていく。なにか神々しい感覚が両肩におりてくる。沖縄のようにシャーマニズムが残る島の御嶽(ウタキ)と呼ばれる聖なる場所も、犬のように山道を歩いていて、...[続きを読む]
2007/06/14 | 犬のように歩く | Trackback 0 | Comment 0